会社のドメインで Google Workspace を申し込むと、途中で「このドメインはすでに使用されています」「組織の別のユーザーがすでにこのドメインを使用しています」と表示され、先へ進めないことがあります。会社としてはまだ契約していないのに、ドメインが使われている状態です。
原因の多くは、社員の誰かが会社のメールアドレスで始めた無料の Google Workspace Essentials Starter です。この記事では、原因の確かめ方と、2つの解き方を説明します。
なぜ申し込めないのか
Essentials Starter は、会社のメールアドレスがあれば無料で始められるエディションです。Google ドライブ・ドキュメント・Meet などを使え、Gmail は含まれません。1つのチームに最大100人、1人あたり15GBまで使えます(Essentials エディションの比較)。
社員がこれを始めると、会社のドメインがそのチームに結び付きます。そのあと会社として Google Workspace を申し込むと、ドメインが使用中と判定されます。別々の社員が始めると、同じドメインに複数のチームができていることもあります。
先に確かめること
- チームを作った人を探す会社のアドレスで Google ドライブのチームを作った人、招待を受けた人がいないかを社内で確かめる
- 残したいものを確かめるチームのユーザーとファイルを、会社の環境に引き継ぎたいかを決める
- 解き方を選ぶ残したいなら「上げて、下げる」。管理者が分からず、残すものもないなら「作り直す」
チームの管理者は、Google ドライブの「チームのダッシュボード」を開けるアカウントです。
解き方1 Enterprise Essentials に上げてから Business へ下げる
いまのチームのユーザーとファイルを残したまま、会社の Google Workspace にする方法です。
- Enterprise Essentials へ上げるチームのダッシュボードの「権限」から「アップグレード」。支払いはフレキシブル プランを選ぶ
- ドメインの所有権を確認するドメインの DNS に、Google が示す確認用の TXT レコードを追加する
- 反映を待つ1時間ほどが目安(当社の支援での実感。環境によって前後する)
- Business へ下げる管理コンソールの「お支払い」→「サブスクリプション」→「ダウングレード」で Business Starter か Standard を選ぶ
支払いは必ずフレキシブル プランにしてください。Enterprise エディションから Business エディションへ切り替えられるのは、ユーザーが300人以下で、フレキシブル プランの組織だけです。年間プランの場合は、先にフレキシブル プランへ変える必要があります(Business Standard エディションに切り替える)。
フレキシブル プランは日割りで請求され、いつでも解約できます(フレキシブル プラン)。Enterprise Essentials の期間は数時間から数日なので、費用はその日数分です。金額は切り替えの画面で確かめてください。
Business へ切り替えると Gmail を使えるようになります。会社のメールを Gmail で受けるには、メールの配送先(MX レコード)の切り替えが別に必要です。
解き方2 所有権を確かめて、いまの環境を削除してから作り直す
前の管理者が分からない、残すファイルもない場合は、いまの環境を削除して新しく申し込むほうが早く進みます。
管理者が見つからないときは、Google のサポートのフォームからドメインの所有権の確認を依頼します。Google から所有権を証明する手順が案内されます(ドメインを使って Google のサービスに申し込みできない)。
削除したドメインを新しいアカウントで使えるようになるまで、24時間ほどかかります。販売パートナーから購入していた場合は7日ほどかかります。残したいファイルは、削除の前に必ず書き出してください。
2つの解き方の比べ方
| 比べること | 上げて、下げる | 削除して、作り直す |
|---|---|---|
| 向いている場合 | チームを作った人が分かり、ユーザーやファイルを残したい | 管理者が分からず、残すものがない |
| 待つ時間 | 所有権の反映まで1時間ほど | 削除のあと24時間ほど(販売パートナー経由は7日ほど) |
| 費用 | Enterprise Essentials の日割り分 | なし |
| 気をつけること | 年間プランを選ばない。300人以下であること | 削除の前にファイルを書き出す |
会社の環境ができたあとにやること
社員が会社のアドレスで作った個人の Google アカウントは、Google では「管理対象外のアカウント」と呼ばれます。管理コンソールの「ディレクトリ」→「ユーザー」→「その他のオプション」→「管理対象外ユーザーの移行ツール」から、会社の管理下へ招待できます(移行ツールで管理対象外ユーザーを移行する)。取り込んだアカウントは個人のアカウントに戻せないため、本人に伝えてから招待してください。
あわせて、会社のアドレスで外部の無料サービスに登録するときは相談するよう、社内に周知しておくと、同じ状態を防げます。
