Gemini Notebook には、音声の解説・動画の解説・マインドマップ・クイズ・スライドまであります。ところが、最初に機能を全部見せると、現場は「で、今日どこで使うの?」で止まります。人が動くのは、機能の数ではなく、自分の今日の仕事がどう変わるかが見えたときです。
この記事では、Gemini Notebook を社内で使い始めるときに、最初の1週間で試す3つの場面を説明します。Gemini Notebook は、2026年7月に NotebookLM から名前が変わりました。対象のエディションでは、Google Workspace の中で提供されています。
Gemini Notebook は「会社の資料に戻れる AI」
Gemini Notebook は、自分が渡した資料を根拠に答える AI です。一般的な AI に社内のことを聞いても、規程や過去の会議を渡していなければ、どこの会社にも当てはまる答えが返ってきます。Gemini Notebook は、PDF・ドキュメント・スライド・ウェブのページ・音声などをソースにして答え、どの資料を根拠にしたかの引用を付けます。
社内に広げる前に、「何を根拠に答えるか」と「データがどう扱われるか」の2点を説明できるようにしておきます。データの扱いは、Google の管理者向けのヘルプで、エディションごとに確かめます。
1. 規程とマニュアルを入れて、「探す」を減らす
最初に置くのは、就業規則・経費精算のルール・稟議の流れ・社内システムの操作マニュアルです。答えが決まっているのに、人が毎回答えている質問が多いからです。
- 「経費の申請に領収書は要りますか?」
- 「有給は何日前までに申請しますか?」
- 「パスワードを忘れたら、どこから再設定しますか?」
回答に引用が付くので、聞いた人も原文を開いて確かめられます。いちばん気をつけるのは、古い版を混ぜないことです。旧と現行の規程が両方入っていると、どちらも回答の根拠になります。誤った案内が1回出ると、「AI はうそをつく」という評判だけが残ります。精度を上げる前に、入れる資料の版をそろえます。
2. 会議の記録を入れて、「前回の続き」から始める
案件ごとにノートブックを分け、同じプロジェクトの会議の記録を入れていきます。Google Meet の文字起こしが使えないエディションでも、手で取った会議のメモをソースにできます。
効くのは、「決まらなかったこと」を残せる点です。決まったことは誰かが覚えていますが、未決の論点はその場を出ると消えやすく、次の会議でまた同じ背景を説明します。会議の前に未決の論点を確かめれば、冒頭から前回の続きに入れます。
3. 読まれない社内資料を、「聞ける形」にする
新しい制度の案内・システムの切り替えの説明・セキュリティの注意。こうした資料は、メールで送っただけでは読まれません。資料は残したまま、補助として音声の解説を作れば、移動中や別の作業をしながらでも触れられます。ただし音声を正本にはしません。細かい条件や金額は、必ず元の資料に戻って確かめます。
最初にやらないこと
- 全社の資料を1つのノートブックに詰め込まない。「規程」「A案件」「新人研修」のように目的ごとに分けます。共有の範囲も目的ごとに変わるからです。
- マインドマップやインフォグラフィックから始めない。最初に要るのは作品を作ることではなく、「探す」「思い出す」「読む」で止まっている仕事を1つ前へ進めることです。
1部署・1テーマ・1週間で試す
全社展開から始めなくて大丈夫です。総務なら経費精算、人事なら入社の手続き、情シスなら社内システムのよくある質問のように、1部署で1つのテーマだけを1週間試します。1週間後に見るのは、ログインの数ではなく、「人に聞かずに済んだ質問はあったか」「前回の会議を探す時間は減ったか」「資料に戻る回数は増えたか」です。
慣れてきたら、比べる表・研修の素材・複数のノートブックをまたいだ企画などに広げられます。Gemini Notebook を仕事に活かす方法(社内の問い合わせ・調べる計画・比べる表・研修の素材・複数のノートブック・資料の更新)で説明しています。
