音声入力でメールを書くと、「Claude」が「クロード」に、「ChatGPT」が「チャットGPT」に、取引先の「山田商事」が「ヤマダ商事」になる。文章の大半は正しいのに、社名や製品名だけが毎回崩れる。仕事のメールでは、固有名詞の間違いがいちばん目立ち、いちばん直す手間がかかります。
この記事では、音声入力で固有名詞が崩れる理由と、正しい表記で入れる方法を説明します。
固有名詞が崩れる理由
- 英語の製品名を、日本語の音として聞き取り、カタカナで出してしまう。
- 同じ読みの漢字がいくつもある社名や人名を、よく使われる字で出してしまう。
- 社内だけで使う略語や製品名は、そもそも知らない。
音声を文字にする仕組みは、たくさんの文章から「よくある書き方」を学んでいます。その会社だけの言葉ほど、崩れやすくなります。
Mac の標準でできること
Mac の「システム設定」→「キーボード」の「ユーザ辞書」に、よく使う言葉を登録できます。キーボードの入力の変換には効きますが、音声入力の結果がこの辞書で直るとは限りません。
話し方で工夫するなら、英語の製品名はゆっくり区切って話す、社名は前後に「株式会社」などを付けて文脈を足す、といった方法があります。それでも、毎回正しく出るとは限りません。
LocalVoice なら、辞書で正しい表記に直す
LocalVoice は、UTNOA が作って無料で公開している、Mac 用の音声入力アプリです。文字起こしのあとに、辞書で正しい表記に直してから、入力欄に入れます。
辞書の例(正しい表記: 聞き間違えやすい書き方):
- Claude: クロード
- ChatGPT: チャットGPT、チャット ジーピーティー
- Google Workspace: グーグルワークスペース
- 山田商事: やまだしょうじ、ヤマダ商事
- 正しい表記と、聞き間違えやすい書き方を登録すると、文字起こしのあとで正しい表記に直します。
- Claude・ChatGPT・Google Workspace などの製品名は、はじめから辞書に入っています。
- 社名や取引先など、公開したくない言葉は、Mac の中の自分だけのファイル(~/.localvoice/dictionary.json)に書けます。
実際に測った結果
macOS の読み上げ音声4種 × 製品名を含む7文 = 28本で測りました。
- 辞書なし: 文字の誤りの割合 27.0%、製品名の正解 0 / 36
- 辞書あり(標準): 文字の誤りの割合 0.7%、製品名の正解 35 / 36
自分がよく使う言葉を辞書に足すと、その言葉を含む文の誤りの割合は 32.2% から 5.1% に下がりました(8本での計測)。これは読み上げ音声での計測です。人の声、とくにくだけた話し言葉では、誤りが増えます。
使える Mac
Apple Silicon(M1 以降)の Mac・macOS 14 以降で動きます。文字起こしも整形も Mac の中で処理し、音声も文字も Mac の外に出しません。MIT ライセンスで、GitHub に現状のまま公開しています。
