Google Workspace の導入と管理

Google ドライブの権限と資料整理の考え方(見せてよい相手で分ける・「機密」の名前とアクセス権・古い資料の置き方)

執筆:UTNOA | 情報確認日:2026-10-12

ドライブの整理で難しいのは、フォルダを作ることより、「この資料を誰に見せ、いつまで使うのか」を決めることです。同じ部署の資料でも見せてよい相手が違うこと、「機密」という名前とアクセス権は別であること、取引先との共有と古い資料の扱い、点検で一覧を出す作業と見直す判断を分けることを説明します。

Google ドライブの権限と資料整理の考え方(見せてよい相手で分ける・「機密」の名前とアクセス権・古い資料の置き方)

名前をそろえて、部署ごとに分けた。見た目はきれいになった。でも、必要な資料が見つからない。どれが最新版か分からない。社外の誰に共有しているかも、担当者に聞かないと分からない。そんな状態なら、残っている問題はフォルダの名前では解決できません。

この記事では、Google ドライブを整理するときに、フォルダを作る前に決めておくことを説明します。AI に社内の資料を参照させるようになった今、あらためて考えておきたい所です。

同じ部署の資料でも、見せてよい相手は同じではない

営業部のドライブに、商品の説明資料・取引先への提案書・営業会議の議事録・部員の評価資料が置かれていたとします。分け方としては、すべて「営業部」で間違っていません。でも、商品の説明資料は社外に配るかもしれず、提案書はその取引先だけに、評価資料は本人と評価に関わる人だけに見せたいはずです。

考えるのは「何階層が正解か」ではなく、「ここに入る資料は、同じ相手に見せてよいか」です。全社員で使うもの・部署で使うもの・限られた担当で扱うもの・社外に渡すもの、の違いが、共有ドライブやフォルダを分ける理由になります。ただし、細かすぎて保存先を判断できなければ、使う人は置きやすい場所に戻ります。保存する本人が判断できる分かりやすさも必要です。

「機密」という名前と、実際のアクセス権は別

フォルダに「機密」と書いてあれば大丈夫か。名前は人に注意を促せますが、誰が開けるかを決めるのはアクセス権です。人事と経営者だけに見せるつもりでも、実際には広い範囲に共有していたら、その意図は設定に反映されていません。

Gemini が Workspace のデータを参照するときは、使う人のアクセス権が適用されます。Gemini が権限を飛び越えるのではなく、もともと開ける状態の資料が、設定によっては回答に使われ得る、という話です。人がその資料の存在を知らないことは、アクセスの制御の代わりにはなりません。

取引先のドメインだから、すべて問題なしとは言えない

いつもの取引先に今回の提案書を共有するのは、必要な共有かもしれません。でも、その会社に別の案件のフォルダまで見せる必要があるかは、別の判断です。見直すのは相手だけでなく、「何を」「何のために」「今も必要か」の組み合わせです。

社外への共有が見つかっても、その場で全部を解除するのは違います。進行中の仕事に要る共有まで止めてしまうおそれがあります。一覧は、担当者と確かめるために使います。理由が今も続いているなら残し、役目が終わっているなら見直します。

古い資料を残すのは、整理する気が無いからではない

本当のゴミ箱には入れず、部署のドライブの中に「ゴミ箱」や「バックアップ」というフォルダを作って残しておく。こうした運用には、必要なものを失いたくないという理由があります。

ただ、検索の結果に「提案資料_v7.1」「提案資料_v7.3」「提案資料_最終」が並ぶと、引き継いだ人には違いが分かりません。分けたいのは、「会社として保存が必要か」と「普段の仕事で使う資料か」です。保存する理由があっても、普段の資料と同じ場所で探せる必要があるとは限りません。現行の資料とは別に保管し、要るときに取り出す方法を決めれば、消すか残すかの二択から進めます。フォルダの名前を「アーカイブ」に変えるだけでは、検索や AI の参照からは外れません。

AI の回答を確かめる前に、資料の正解を決めておく

今の商品の条件と、昨年の条件が両方残っていて、どちらを案内に使うべきか資料から判断しにくければ、AI の回答を受け取った人も、結局は元の資料を見直すことになります。過去の資料をすべて AI に見せない、が答えでもありません。今の条件を案内するための資料か、過去の経緯を調べる資料か、現行版を決める担当は誰か。この違いが分かる状態を作っておくと、人も AI も根拠を選びやすくなります。

一覧を出す作業と、見直す判断を分ける

共有ドライブのファイルを1つずつ開いて共有先を調べるのは大変です。共有の権限を一覧にするには、環境によっては何時間もかかることがあります。Google Apps Script には1回の実行時間の上限もあるので、途中から続けられることや、確かめられなかった対象が分かることも、点検の道具には必要です。

一覧が出たあとに「この取引先への共有は要るか」「この資料は現行版か」を判断するには、仕事を知っている人の確認が要ります。取得と記録は道具で助け、業務の上の必要性は担当者と判断する。取得できなかったものは「問題なし」に混ぜない、という分け方にします。

整理したあとに、次の担当者が迷わないか

目指すのは、整理した日のスクリーンショットがきれいなドライブより、そのあとに使う人が判断しやすいドライブです。よく使う資料を1つ思い浮かべて、「誰に見せてよいか」「どれが現行版か」「使わなくなったらどうするか」の3つを、担当者によらず同じように説明できるかを確かめてください。答えがあいまいな所が、社内で話し合う出発点になります。

具体的な手順は、共有ドライブの「リンクを知っている全員」を棚卸しする手順・Google ドライブの外部共有に有効期限を設定する方法・Google ドライブで、ファイルを誰に共有しているか確かめる方法で説明しています。

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