共有ドライブも、社員全員のマイドライブも、誰に・どの権限で共有しているかをまとめて点検するサービス「Workspace Check」を作りました。危ない共有を4つのアラートに分けて取り出し、一覧・CSV・報告書にします。いまは14日間の無料トライアルを受け付けています。この記事では、作った理由と、解決できること、点検のデータを預からないために決めたことを紹介します。
社員全員のマイドライブまで含めた共有の棚卸しは、ファイルとフォルダが6,000件ある会社で、1年に約210時間かかる計算です。Workspace Check で一度に点検すれば、そのうち約200時間を減らせます(前提と計算は「どれだけ時間が減るか(試算)」にまとめています)。
「標準の機能では難しい」としか答えられなかった
Google Workspace の導入や運用の相談で、くり返し寄せられる要望があります。「社員のマイドライブも含めて、会社の全部のファイルの権限を、一度に確かめたい」。
ところが、Google Workspace の標準の機能で管理者が確かめられるのは、主に共有の設定を変えた記録(ログ)です。管理コンソールには、いま共有されているファイルを会社全体で並べる画面がありません。上位のエディションにはファイルと権限の情報を BigQuery に書き出す機能がありますが、集計は自分で SQL を書いて行う形で、多くの会社が使う Business のプランにはその機能もありません。要望を受けても、「標準の機能では難しいです」と答えるしかない。そのもどかしさが、出発点でした。
社内の情シスの現場でも、同じところで止まる
社内で Google Workspace を運用する情シスの立場でも、同じ悩みが続きます。
- 決めた運用ルールが、だんだん守られなくなる。置き場所や共有のルールは、決めた人しか覚えていない。
- 「リンクを知っている全員」のファイルが、どこにどれだけあるか分からない。
- 社員のマイドライブは、管理者でも普段の画面から開けない。全社の権限をまとめて確かめる方法がない。
相談を受ける側でも、社内で運用する側でも、同じところで止まっている。それなら、確かめる道具を自分たちで作ろうと決めました。
ドライブを確かめられないと、何が起きるか
| 残りやすい共有 | 起きること |
|---|---|
| 「リンクを知っている全員」 | 転送されたリンクから、社外の知らない人も開ける |
| 個人のメールアドレスへの共有 | 退職や取引の終了のあとも、会社の管理の外で開ける |
| 取引が終わった会社への共有 | 案件のフォルダが、外注先から見えたまま |
| 退職した人のファイル | 持ち主のいない共有が、誰も管理しないまま残る |
| 点検の記録がない | 取引先のチェックシートや審査で「点検している」と答えられない |
| 権限の付けすぎ | Gemini を全社で使うと、見せたくない情報が答えの材料になる |
手で確かめようとすると、社員30人の会社でもファイルとフォルダは数千件あります。共有の画面を1件30秒で見ても、6,000件なら50時間です。毎月は続けられず、棚卸しは年に一度か、問題が起きてからになりがちです。
Workspace Check で解決できること
- 社員に「自分のファイルを確かめて」と頼む
- ログで「変えた記録」を探す
- 見つかった共有を、1件ずつ調べて頼む
- 点検したことが残らない
- 共有ドライブと全員のマイドライブを一度に点検
- いまの共有の状態を、4つのアラートで取り出す
- 危険度の高い順の一覧と CSV で、持ち主に頼める
- 報告書と記録のスプレッドシートが残る
- 4つのアラート: 「リンクを知っている全員」「個人のメール」「許可していない会社」「動いていないアカウント」に分けて、件数と危険度を出します。名前に給与・契約などの大事な言葉が入ったファイルは「高」にします。
- 一覧と CSV: アラートのファイルだけを、持ち主とフォルダの場所と一緒に並べます。「Drive で開く」で共有の設定に移れ、選んだものをまとめて外すこともできます(書き込みの権限を足した場合)。
- 権限マップ: 共有ドライブをフォルダのツリーで出し、そのフォルダで足された人と権限だけを出します。社員の名前を入れると、その人のマイドライブも開けます。
- 報告書と記録: 点検の範囲と件数、直した内容を1枚の報告書にし、記録は御社の Google ドライブのスプレッドシートに残します。
- AI の閲覧ログ: Gemini などの AI が実際に中身を読んだ大事なファイルと、Gemini Notebook の共有も確かめられます(監査ログを読む権限を足した会社)。

それぞれの使い方は、「リンクを知っている全員」の一覧・個人の Gmail への共有・許可していない会社への共有・使われていないアカウントのコラムで説明しています。
点検のデータを、外のサーバーに集めない
クラウドのサービスへの不正アクセスや、そこからの情報漏えいのニュースが続いています。会社のドライブのファイルの名前と共有先の一覧は、それ自体が大事な情報です。点検のために外部のサービスのサーバーへ集めれば、そこが新しい漏えいの入口になります。
そこで Workspace Check は、点検のデータを UTNOA に預からない作りにしました。
- 御社のブラウザ管理者が点検を始める
- Google御社の点検専用のプロジェクトの権限で、ファイルの名前と共有の設定を読む
- 御社のブラウザ結果を画面に出す。UTNOA のサーバーには送らない
- 御社の Google ドライブ記録を残すときは、御社のスプレッドシートに作る
- 点検は御社のブラウザと Google の間だけで動き、結果は画面に出すだけです。UTNOA のサーバー(Google Cloud)には送らず、保存もしません。
- 読むのはファイルの名前と共有の設定だけで、ファイルの中身は読みません。
- ドライブを読む権限は、御社の Google Cloud に作る点検専用のプロジェクトに付き、御社の管理者が管理コンソールで承認します。
- UTNOA が持つのは、お申し込みの会社とドメイン、使う人のメールアドレスなど、契約に使う情報だけです。UTNOA から御社のデータを確認することもできません。
- Workspace Check のアプリは、Google の OAuth アプリの審査を受けて、2026年10月に承認されています。
料金と試し方
- 料金は、1つの Google Workspace 環境ごとに月2万円・年22万円(税抜)です。人数は問いません。ドメインが複数あっても同じ料金です(1つの契約に10個まで)。
- 14日間、すべての機能を無料で試せます。カードの登録は不要で、自動で有料にはなりません。
- 準備は、特権管理者が check.utnoa.com でログインし、画面のボタンで点検専用のプロジェクトを作って、管理コンソールでドメイン全体の委任を承認するだけです。約10分で、コマンドは要りません。
- 対象は Business Starter 以上の有料プランです(Business Starter での動作は確認中です)。
できることを短く見たい方は、1分で分かる Workspace Check をご覧ください。
どれだけ時間が減るか(試算)
試算の前提: 社員30人の会社で、ファイルとフォルダが6,000件あり、3か月に1回(年4回)共有を棚卸しする場合。共有の画面を1件ずつ開いて確かめるのを1件30秒、結果をまとめるのを1回2時間とし、Workspace Check では点検と結果の確認・まとめを1回1時間としています。
| 作業(回数) | いま | Workspace Check | 1年で減る時間 |
|---|---|---|---|
| ファイルの共有を1件ずつ確かめる(6,000件 × 年4回) | 30秒 | 点検で一度に | 約200時間 |
| 結果をまとめる(年4回) | 2時間 | 1時間 | 約4時間 |
合計で、1年に約200時間の作業が減ります。時給1,500円で換算すると、約31万円分の時間です。
1回1時間で済めば、年に一度の棚卸しを毎月の点検に変えられます。問題が起きる前に、残った共有に気づけます。
